世界禁煙デー

 

世界禁煙デー 第17回フォーラム

 

【 シンポジウム 】
 受動喫煙対策の成果;
 世界での急性心筋梗塞の減少と宮城県の問題点

          東北大学循環器内科  後岡 広太郎 氏

 

 世界保健機関WHO(World Health Organization)は「喫煙は予防可能な最大の疾病・早死の原因」と結論づけ、2005年2月27日に「タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約(Framework Convention on Tobacco Control:FCTC)を発行した。FCTCに基づいた受動喫煙防止法の施行により受動喫煙が解消された場合、不安定狭心症や急性心筋梗塞の発症率は速やかに減少することがLightwoodらのメタ解析により報告された。一方で宮城県においては心筋梗塞の発症率は増加している。宮城県での病院ベースの登録研究であるMIYAGI-AMI Registry研究からは急性心筋梗塞の年齢調整発生率は1979年には10万人あたり7.4人であったが、2008年には10万人あたり27.0人と30年間で約4倍に上昇していることが報告された。また同研究によると1998年から2008年にわたり心筋梗塞発症例における喫煙率は男性で40%前後、女性では15%前後と一定の割合を占め、かつ喫煙率は減少していないことが報告された。日本でも2010年に厚生労働省健康局長通知「受動喫煙防止対策について」が示されたが、宮城県において益々の受動喫煙防止対策が求められている。

 

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